社会人への手紙

最近よく考えることなんですが、みなさんは就活のとき、あるいは社会人になってから「人が働く意味・理由」について意識されたことはありますか?
 
 
昔に比べて現代では、仕事をする意味が単に家族を養ったり社会的な成功を収める以外での文脈で語られることが多くなっていると思います。
 
 
先日の成人式では、ニュースで頻繁に「さとり世代」という言葉が登場したように、現代の若者は「お金や名誉といったものを得るため」という理由で働くことには懐疑的で、中には働くことそれ自体に疑問を呈し、ニートを選択する若者も増えています。
 
 
僕は社会人の方とお会いできる機会があると、「働くとはなにか」、「なんのために働くか」、「働くことは義務であるか(憲法によらず)」、といったような、おそらく抽象的すぎて答えづらいであろうと思うことを、僭越ながらご質問させていただくこともあるのですが、それに対する答えの傾向としては、「仕事にはこういうやりがいがある」というものや、「社会人になってみれば自ずとわかるから、今は目の前のことに集中しなさい」というメッセージが背後にあるものが多い気がします。
 
 
しかし、労働というものの「本来の」意味について、突き詰めて考えていくということは、これは社会人になってからではむしろ難しいのではないかと思ったので、就活というまたとない時期を、よいきっかけだと捉えて考えるようにしています。
 
 
(余談ですが僕自身の考えからいうと、「労働」というものを文化人類学的に、「価値の贈与・交換」と捉えると社会に対するいわゆる「恩返し」と言われるようなことを説明するのに適していると思うので、この周辺の概念を巻き込みながら納得を形成していけたらいいと考えています。)
 
 
こういうことを考えて何か現実に役立つのか、無意味ではないかと思われる方もおそらく少なからずいらっしゃるでしょう。でも僕は自らが「よく生きる」ためには、まず自分のする行動の意味を不断に問い続ける必要があると思いますし、先述したような若者が増えているのも、労働の「意味付け」という行為が蔑ろにされてきた一つの帰結だとも考えています。
 
 
はたして仕事は義務でしょうか。だとしたらそれはなぜでしょうか。みんなが仕事をしなかったら社会が成立しないからですか? マクロ(社会全体)かミクロ(個人)か、ショートターム(目先)かロングターム(将来)かによっても、この答えは変わってくると思います。
 
 
みなさんの仕事に対する考え、教えてください。